キューバ現地囲碁指導の記録

キューバ囲碁指導事業

2010年、当会の囲碁交流団がキューバを訪れた際にキューバ政府スポーツ庁INDER から、日本からの囲碁指導者の派遣を打診された。
当会は、この実現に取り組み、当NPOの会員の中から西島昭理事(6段)を適任者として選出し、国際交流基金にその意義を訴えて助成金を獲得しました。
かくして2011年9月から2012年6月までの約10ヵ月間、西島昭理事が指導員として派遣され、各種事業を通してキューバにおける囲碁の普及、現地プレーヤーの棋力向上に当たり多大な効果をあげました。これはその記録の一部です。


各種囲碁大会

キューバの大きな囲碁大会は、囲碁連盟会長のラファエルが企画している。年間7回前後の予定が組まれ、大体予定の通り開催されている(別紙年間予定表及び主要事業一覧表参照)。この中には、日本との交流大会も含まれているが、日本からの交流団が必ず毎年来るわけではないので、期待を込めた予定として組まれ、実際に来れば開催される。

 もっとも大きな大会は、キューバ選手権大会で、全国16の州から選手がやってくる。2012年2月に行われた大会は、サンチャーゴのいるサンチスピリツで行われた。日本から囲碁指導員が来て、さらに日本からの訪問団が来るというのでその時期に合わせてくれたのである。開催地についても、日本になじみのあるサンチャーゴの住むサンチスピリツにしてくれたのかも知れない。参加者は、各州代表2名づつが予定であったが、実際には選手を送り出せない州もあり、その分ハバナの選手が増える。

 現在のチャンピオンはハバナのカルロスで、今年もサンチャーゴとの決勝に勝ち、3年連続とのことだった。チャンピオンは、世界アマチュア選手権戦に出場資格があるので、日本にある大会事務局から招待状が来ていた。しかし、旅費は各国の負担なので、今年もまた参加することができなかった。

 

 キューバは、地方と都市の間及び地方と地方の間の交通が大変で気軽に移動できない。交通手段は大部分バスで、時間もかかり、費用も所得に比べて高い。そうしたことと併せて、囲碁人口の多寡から大部分の大会はハバナに集中してしまう。地方の囲碁人口の拡大には、必要な用具や教材の整備も課題である。

中央図書館で開催中のキューバ選手権大会、
奥が大会で手前は初心者と多面打ちする古澤氏

今年も決勝はカルロス()とサンチャーゴ()

     大会の傍ら初心者対象に指導対局をする加藤氏